ブラックアウトって知ってますか?
酸欠状態になって気を失うことを言います。その一歩手前の状態をサンバと言います。
スピアフィッシングにおいて、ブラックアウトしないということは最重要課題と言えます。
なぜなら、
ブラックアウト=死
だからです。
ここでは、スピアフィッシングの上級者や素潜りの選手などの文献をもとにブラックアウトしないための知識をまとめます。
呼吸の原理
人間は息を止めて海に潜った時、ある段階で「苦しい」と感じます。
この「苦しい」は、なぜ感じるか知っていますか?
多くの人が、「酸素が足りないから」「酸欠で息を吸いたいから」と答えると思います。
しかしこれは不正解で、正反対なんです。
正解は、「二酸化炭素が過剰で、それを排出したいから」です。
体内の二酸化炭素が過剰になると、脳が体に「苦しい」と感じさせます。まずこれを覚えておいてください。
ブラックアウトは上にも書いた通り、酸欠状態になると起こります。
理解して欲しいのは、二酸化炭素が過剰でない(苦しくない)のに、酸欠でブラックアウトしてしまう状況があるということです。
<やってはいけないこと>
①ハイパーベンチレーション
②連続ジャック
③浮上直後のスノーケルクリア
④もったいない
①ハイパーベンチレーション
ハイパーベンチレーションとは、息止めをする前に、5回程度素早く深呼吸する技術です。
スキンダイビングのスクールなどでは、ハイパーベンチレーションを行うと普段より長く息が止められるよーって教えることがあるそうです。
でもこれ、絶対やらないでください❗️
一見ハイパーベンチレーションで体内に酸素を多く取り入れているように思いますが、実はこれ、体内の二酸化炭素を強制的に排出する行為なんです。
この状態で息止めを行うと、酸素の量はいつもと変わらないのに二酸化炭素は少ない状態になります。呼吸の原理を思い出して欲しいのですが、二酸化炭素の蓄積が遅くなる分いつもより苦しくならないんです。
この状態だと苦しいと感じた時には酸欠の状態に近くなっています。ここから更に浮上と考えると、酸欠でブラックアウトする可能性は高くなります。
逆に言うと、ハイパーベンチレーションは酸欠なのに苦しくない状態を作る行為です。
②連続ジャック
連続ジャックとは、連続してジャックナイフする、すなわち連続で潜水することです。
安全にスピアフィッシングするためには、潜った時間と同等以上の休憩が必要です。1分潜ったら1分以上の水面休憩というように。
連続ジャックをすると、少しづつ体内の酸素が少なくなっていきます。二酸化炭素は水面で排出していますから、苦しくなるタイミングより先に酸欠になってしまいます。
①ハイパーベンチレーション
②連続ジャック
この2つは特に危険な行為なので絶対やらないようにしてください‼️
③浮上直後のスノーケルクリア
通常、浮上直後は二酸化炭素が多く蓄積し、酸素が不足している状態です。
この状態で息を勢いよく噴き出すスノーケルクリアをやるとどうなるでしょうか。
二酸化炭素が排出されることで楽にはなりますが、残りわずかな肺の中の酸素も排出してしまうことになり酸欠を加速させることになります。
実際に、スノーケルクリアをした直後にブラックアウトするケースはあるようです。
潜水中はスノーケルを口から外すようにしましょう。浮上して息を1吸いしたら2-3秒息を止め、体に酸素を行き渡らせます。その後、スノーケルクリアを行ってください。
素潜りの選手はスノーケルを使用しません。浮上したら直接空気を吸い、そのまま水面に顔を出して呼吸をするそうです。
④もったいない
この気持ちは誰でも持っていますよね。
大きな魚を突いたけどパワーが凄い!このまま銛を離したら大きな魚も数万円する銛も無くなってしまう!もったいない‼️
これは危険です。こうなったら潔く諦めましょう。
そもそもこうならないように、フロートと銛をラインで繋いでおきましょう。
以上がブラックアウトをしないために知っていて欲しいことです。
これに加え、可能な限りバディシステムでのスピアフィッシングを行ってくださいね😁